白鳥幼稚園は名古屋市熱田区にある、自然に囲まれた幼稚園です

つばめのお話

120-01-24pつばめのお話

毎年4~5月になると、私(白鳥幼稚園HP製作・管理者)の家にはツバメがやってきます。いつからか正確には覚えていないのですが、2000年以前からほぼ毎年、営巣・子育てのためにやってくるようになりました。時にはヒナが巣立ってからも2度、3度とやってきて、再び子育て・巣立ちを繰り返した年もありました。私も私の家族も毎年彼らがやってくるのを楽しみにしていますし、無事に巣立ちの日を迎えるまでどきどきしながら見守っています。

そんなことが何年も続いていると、ある疑問が生まれます。毎年我が家にやってくるのは“同じ”ツバメなのか、はたまた巣立っていった子どもたちが大きくなって戻ってくるのか・・・毎年同じ時期に同じ話題で家族会議が開かれるのですが、いつもその問題は翌年へと持ち越されてしまいます。

今コラムを読んで下さっている方の中にも、ひょっとしたら似たような経験をしている方がいらっしゃるのではないでしょうか?今回のコラムは、ツバメについて調べてみたいと思います。

なお、このコラムで掲載している写真はすべて、白鳥幼稚園ホームページ管理人が撮影した、我が家から巣立っていたかわいいつばめたちのものです。

120-18-24pつばめの生態について

まず、ツバメの種類についてふれたいと思います。私たちが普段街中で目にするツバメですが、顔が赤褐色で体の上面が黒・下面が白の「スズメ目ツバメ科」のツバメが一般的かと思われます。ほかにも同じ「スズメ目ツバメ科」に属するイワツバメや、「アマツバメ目アマツバメ科」のアマツバメなどがいます。余談ですが、高級中華食材となる「燕の巣」とは、「アマツバメ科」のインドショクヨウアマツバメの巣なのだそうです。また、ツバメの飛行速度はおよそ50~200kmといわれ、とびぬけて高い飛翔能力を持っています。

親と子は尾(燕尾:えんび)を見るとわかります。親(1枚目の写真)の燕尾は長いですが、子ども(2枚目)はまだ短いです。

120-18-24p渡来と営巣

ツバメは3月下旬~4月上旬ごろに渡来しますが、主な越冬地である東南アジア諸国から日本までの飛行距離は数千kmにもなります(フィリピンと日本の距離はおよそ3000km!)。しかも彼らは、その長い距離を集団ではなく1羽ずつ飛んでくるというのです!そして、繁殖地には先にオスがやってきて営巣準備を始めます。巣は、泥と枯れ草に自分の唾液をまぜたもので作られます。

ところで、人家や商店など人の出入りが多いような賑やかな場所・建物に巣を多く見かけますが、それには何か理由があるのでしょうか?

ツバメは農作物の害虫となる昆虫を主食とするため、古くから益鳥として人間に大切にされてきました。また、ツバメは抜群の飛翔能力を持ちますがくちばしは短く体も小さくて、戦うことに関しては苦手な鳥なのです。そこで、天敵であるカラスやスズメ、ヘビなどから巣を守るため、“安全な”人間のいる場所に巣を作るようになったと言われています。最近では都会で畑をみかけることはほとんどなくなりましたが、農家の方だけでなく都会にすむ多くの方もツバメが巣を作ると彼らを大切に扱います。それはきっと、ツバメと我々人間の関係がずっと昔から続いてきたものだからなんですね。

120-18-24p産卵と子育て・・・そして巣立ち

ツバメは一度の繁殖で、1日に1つづつ、3~7個の卵を産みます。主にメスが抱卵し、およそ13~17日でヒナが生まれます。ヒナが巣立つまでは20~24日くらいかかりますが、その間親ツバメは大忙しです!お腹をすかせた我が子のため、休む間もなくエサとなる昆虫をとらえては巣に舞い戻る日々を繰り返します。子どもたちは巣立ってからは巣に戻りませんが、しばらくは親からエサをもらいながら生活します。その間、親から生きていくための訓練を受け、2週間前後で自らエサをとり始めます。子どもたちがひとり立ちすると、親鳥はもう一度産卵をして子育てを始めます。4~7月の繁殖期の間、親は1~3回程度繁殖を繰り返すと言われます。

120-18-24p再び越冬地へ!

巣立ちを終えたヒナと親鳥たちは、河川敷のアシ原などに集まり集団で寝ぐらを形成します(多いときには数千から数万羽集まるといわれます)。そして10月ごろ、越冬のためにいっせいに南の島へ旅立ちます。日本で繁殖するツバメの主な越冬地は、台湾や東南アジアの島々です。一部のツバメが日本でそのまま越冬することが知られていますが、シベリアなど日本より北方で夏に繁殖したものがそのまま越冬しているのか、日本で繁殖したものがそのまま越冬しているのかよくわかっていないようです

巣立ちの日は突然やってきます。1羽、また1羽とヒナたちは巣から飛び立ちますが、我が家のツバメたちはみんな、しばらくは巣の近くの電線などに留まって兄弟がみな飛び立つのを待っていました。

120-18-24pツバメの帰巣本能と寿命

さて、ここまで主なツバメの生態をみてきました。ここからが我が家における長年の問題の核心です!果たして、我が家にやってくるツバメは同じツバメなのか、それともその子どもたちなのか、はたまた別の誰かさんなのでしょうか?

ツバメは一般的に『“つがい”の絆が強くペアはずっとかわらない』、『帰巣本能が強く同じ巣をよく利用する』と言われています。私もそれを信じていました。ところが、以下、大阪市立自然史博物館HPを参考にさせていただいたのですが、かなり驚きのことが書かれていました。

ツバメの一年間の平均死亡率は60~70%位だといわれ、特に生まれて一年目の死亡率は80%前後ときわめて高く、この数値から単純に計算するとツバメの平均寿命はおよそ1.5年となります。中には7年1ヶ月生きたとされる調査結果もありますが、それは例外といえるでしょう。さらにある実験によれば、115ペアのうち翌年も同じペアで繁殖したのは13ペア(11.3%)だったというのです!

なんということでしょう・・・。毎年同じツバメであってほしいと心のどこかでは願っていたのですが・・・我が家にきているツバメが毎年違うツバメの確率が高いなんて!まさしく、自然の厳しさを思い知らされる結果といえます(ツバメに限らず、野鳥の生存率はかなり低いと言われています)。ですが、自然の中の過激な生存競争を勝ち抜いてきたというならなおさら、我が家ではやってくるツバメたちをこれからもあたたかく見守っていきたいと思います。たとえ違うツバメであっても、大口を開けてエサをせがむ愛くるしいヒナたちと、彼らを一所懸命に育てる親鳥の姿は何年経っても変わりません。また、彼らが間近に見せる一所懸命な子育ての様子に共感を覚えるから、多くの人たちが昔から彼らを大切な隣人として迎え入れているのかもしれませんね。

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