白鳥幼稚園は名古屋市熱田区にある、自然に囲まれた幼稚園です

ハロウィンってなに?

120-01-24pハロウィンについて

今回のコラムのテーマは『ハロウィン』ですが、話をまとめているうちに、聞きなれない言葉や名前が多くなってしまったばかりでなく、必要だと思われる内容も実に多岐にわたり、文章もかなり長いものとなってしまいました。それゆえに『へぇー!』ということもたくさんあり、おもしろい内容であるとも思うのですが・・・。できるだけたくさんの人にわかりやすく、楽しく読んでいただくためまとめてみましたので、最後まで読んでいただければうれしく思います。

そして、皆様の中には歴史に興味を持たれている方、または持っていただける方もみえるかと思いますので、特に聞きなれない言葉については用語解説も合わせて掲載することにしました。また、本文では宗教的事柄も掲載していますが、これはすべて『見て楽しい、知って楽しいホームページ作り』を目的とする中で、『ハロウィン』という一般的な行事の紹介・説明のためのものです。白鳥幼稚園の保育活動と関係のあるものではありませんので、何卒ご理解くださるようお願いいたします。

120-18-24pハロウィンとは?

10月31日は『ハロウィン』です。最近では、デパートなどでのイベントやキャンペーンのほか、子どもたちの通う英語教室でもハロウィンパーティーが行われるようになり、広く知られるようになってきました。ですがそもそも、ハロウィンとは一体なんなのでしょうか?

ハロウィンとは、2000年以上前のケルト人の宗教的行事『サウェン祭』(またはサムウェイン祭。英語ではSamhain、またはSamain)がその起源だと言われています。ケルト人の中でも特にブリテン島に移住した人々は、ドルイド教という宗教(多神教)を信仰していました。古代ケルトでは11月1日~10月31日が1年とされており、新年の始まりである11月1日には災厄を招く神々が人前に現れると信じられていました。しかもそればかりか、その前日である10月31日には死者の霊(魂)が家族の元へ帰り、彼らと共に魔女や悪霊も町をさ迷い歩くとも言われていました。そのため10月31日にはかがり火をたき、悪霊たちが家に入らないようにしたのです。一般的には、これがハロウィンの起源だと言われています。

ところで、ハロウィンの説明の際、よく“日本のお盆のようなもの”として説明されていますが、ハロウィンとお盆には若干違いがあります。それは、家族の下へ帰ってくる故人・先祖の霊の捉え方です。

日本のお盆ではご先祖の霊を手厚く供養する、つまり霊たちは“歓迎”されるのですが、ハロウィンの起源と言われるドルイド教では、この世に戻ってくる霊は“悪い霊”という考え方があったようです。お盆では“迎え火”“送り火”を焚くのに対し、古代ケルト人たちは霊を“追い払うためのかがり火”を焚いたことにもその違いは現れています。

120-18-24p現在の『ハロウィン』にいたるまで

ハロウィンは英語で“Halloween”といいます。別の呼び名で“All Hallows’ Eve”“All Hallows’ Evening”とも言われますが、これはキリスト教の“万聖節”の前夜祭(All Hallow’s Day)という意味になります(hallowは聖人・聖職者、eveは前夜【祭】の意)。つまり万聖節とは、毎年11月1日にあらゆる聖人を記念するキリスト教の祝日で、現在では秋の収穫を祝い悪霊を追い出す祭りのことをいいます。

あれ?ハロウィンはもともとドルイド教を信仰する古代ケルトの宗教的行事が起源だったのに、なんだか少し意味が変わってますね・・・?そうです、実はこれ、長い時間を経て古代ケルトと古代ローマ、そしてキリスト教の3つが融合しあった結果であり、現代の一般的なハロウィンにいたるまでにはブリテン島の歴史とキリスト教の伝播、そしてローマ帝国の歴史が深く関わっています。

ケルト人の住んでいたブリテン島は1世紀頃、ローマ帝国による侵略を受けてその支配下となりました。古代ローマには『果実の収穫祭』(果実女神“Pomona”の祭り)という祭りがあり、まずはドルイド教の儀式とローマの収穫祭がゆっくりと融合していきました。その後ローマにキリスト教が伝わり、4世紀にはキリスト教がローマ帝国の国教となりました(正確にはキリスト教は“公認”されました)。11月1日の万聖節は法皇グレゴリー3世の時代(731~741年)に始まったとされていますが、万聖節をその時期にしたことは、広大な領土を支配するための戦略であったとも言われています。

つまり、支配地域の人々に新しい文化を受け入れさせるために、彼らの伝統行事を“廃止”するのではなくそこに新しい意味を与えて(加えて)、統合しようという考え方です。こうしてドルイド教の宗教的儀式はキリスト教の万聖節に取り込まれることとなったのです。

120-18-24p『Trick or treat!』

お化けの格好をした子どもたちが、『トリック・オア・トリート!(何かくれないといたずらするぞ!)』の掛け声と共にお菓子をもらいに各家を周って歩く姿は、現代においてもっともハロウィンを象徴するような光景だと思います。

この由来には諸説ありますが、その一つは復活する死者や悪魔たちを追い払うため、農民たち自らが変装して街を歩いたことがその由来だと言われています。またその際、農民たちが祭り用の食料をもらいながら歩いたことが、現代の子どもたちがおねだりをして歩く由来だとも言われています。

120-18-24pかぼちゃのちょうちん『ジャック・オ・ランタン』

みなさんもかぼちゃをくりぬいて作られたちょうちんを見たことがあるのではないでしょうか?あのちょうちんの正式名称を『ジャック・オ・ランタン(Jack-o’-lantern)』と言います。まさしくハロウィンを象徴するあのちょうちん、いったい何なのでしょうか?実はこれ、アイルランドの伝説がその由来なのです。ここでは詳細をはぶいて、由来としてもっとも有名な話をおおまかに紹介することにします。

その昔、“けちんぼ鍛冶屋”のウィルという男がいました。彼はお酒好きで、毎日悪いことばかりをしていました。そんなウィルはある時、悪魔に出会って魂をとられそうそうになります。ところがいたずら好きのウィルは、逆に悪魔をだまして悪魔が魂をとらないように約束させてしまったのです。ついに彼が死を迎えたとき、ウィルは生前の悪行のために天国へ行くことはできませんでした。そこで地獄へ向かったウィルでしたが、悪魔は言いました。
『魂をとらないと約束した以上、お前を地獄へ入れることはできないよ』
天国へも地獄へも行けないウィルは、真っ暗な道を戻ることしかできませんでした。それを見た悪魔は、ウィルに地獄の火をひとかたまり分け与えました。ウィルは“カブ(蕪)”で作ったちょうちんにその火で火を灯し、この世とあの世を行ったり来たりするようになりました・・・

これがもっとも有名な『ジャック・オ・ランタン』の伝説なのですが・・・あれ?かぼちゃが出てこない!しかも名前は“ウィル”・・・?

そうです。ハロウィンを象徴するみなさんご存知のあのかぼちゃの提灯は、もともと“カブ(蕪)”でできていたのです。カブよりも提灯に加工しやすいカボチャに変わったのは、アイルランド人がアメリカに移住してからだと言われています。ただ今でも、イギリスの一部などではカブでちょうちんを作り、ハロウィンをお祝いしているようです。また、英語では男の一般的な名前としてジャック(Jack)という名前が使われるのですが、鍛冶屋の本来の名前“ウィル”が次第にジャックへと代わっていったと言われています。

120-18-24pイギリスのハロウィン

ハロウィンが様々な要素を取り込んで現在の形に至ったことはご紹介しましたが、逆にハロウィンが別の祭りに取り込まれた例もあります。

その1つが、イギリスで11月5日に行われる『ガイ・フォークス・ディ(Guy Fawkes Day【Night】)』です。

1605年11月5日、イギリスの国会議事堂地下室に火薬が仕掛けられ、プロテスタント政権の国王ジェームズ1世が暗殺されそうになる事件が起きました。犯人は、熱烈なカトリック信者であったガイ・フォークス(Guy Fawkes)。事件は未然に防がれましたが、その日を忘れぬために記念日が設けられました。それが『ガイ・フォークス・ディ(Guy Fawkes Day【Night】)』です。そしてそれ以来、この記念日になると花火が打ち上げられ、ガイ・フォークスの人形を焼くという行事が行われます(花火については『日本の花火の由来と伝統』をどうぞ!)。そのために、イギリスの子どもたちの掛け声も『トリック・オア・トリート(何かくれないといたずらするぞ)!』ではなく、『Penny for the Guy!(ガイのために小銭をちょうだい!)』なんですって!現在では、ハロウィンとごちゃまぜになりどちらの言葉も使われるということですが・・・まさに『所変われば品変わる』といった感じですね。

120-18-24p用語解説とハロウィン年表

今回のコラムでは、歴史的事柄や聞きなれない言葉が多く出てきてしまいましたので、関係するものをピックアップして、用語解説と年表にして掲載しておきます。

用語 解説
ケルト人 ケルト人は、中央アジアからヨーロッパに渡ってきたインド・ヨーロッパ語族の民族ことです。彼らはヨーロッパに広く分布し、海を渡ってブリテン諸島にも移住しました。ブリテン島に渡ったケルト人は自然崇拝の多神教であるドルイド教を信仰していましたが、ローマ帝国の支配により、ケルト人の間には次第にキリスト教が浸透していきました。
ブリテン諸島 グレートブリテン島とブリテン島、そしてその周りの島々を合わせた呼び名です。現在ではイギリス、スコットランド、アイルランド、北アイルランドがブリテン諸島に属します。
ドルイド教 自然崇拝の多神教で、ドルイドと呼ばれる司祭(知識階級)が司っていた原始宗教。
ローマ帝国 一般的に紀元前27年のプリンキパトゥス(元首制)の開始から1453年の東ローマ帝国の滅亡まで存続した、ヨーロッパを支配した帝国のことを言います。紀元前27年より前のローマは共和制で、ローマ帝国の起源はイタリア半島に建設された都市国家です。

120-18-24pハロウィン年表

時代 主な出来事 現代のハロウィンにいたるまで









【ブリテン諸島】
ケルト系民族の侵入、部族国家の成立
ドルイド教信仰による宗教儀式
ハロウィンとは?


【ブリテン諸島】
ユリウス・カエサルのブリテン島侵入
古代ローマの『果実の収穫祭』(果実女神“Pomona”の祭り)とケルトの儀式が融合していく
現代のハロウィンにいたるまで







【ブリテン諸島】
ローマ皇帝クラウディウスがブリテン島の大部分を征服


【ローマ帝国・キリスト教】
11月1日がキリスト教の祭り『万聖節』の日となる
キリスト教がローマで公認されたことで、キリスト教とも融合していく
現代のハロウィンにいたるまで




【イギリス】
イギリスでガイ・フォーークスの国王暗殺事件が起こり、その記念日として『ガイ・フォークス・ディ』が設けられる
イギリスでは、これをきっかけとしてハロウィンとガイ・フォークス・ディが融合していく
イギリスのハロウィン



【アイルランド・アメリカ】
多くのアイルランド人が世界各国へ移住し、ハロウィンの儀式が世界に広まる。J・F・ケネディの祖先もこの頃アメリカに渡る。
アメリカに渡ったアイルランド人たちは、従来のカブからカボチャでちょうちんを作るようになり、儀式や祭りも世俗化して現代のハロウィンへとつながる
かぼちゃのちょうちん『ジャック・オ・ランタン』
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